○ まんさくの夜道はすこし坂がいい  橋本昭次  二五点

○ 生涯のいまが日だまり冬すみれ  一木文子  二三点

○ 野遊びやどの児の声も翼もつ   大町 道   二〇点

○ ハモニカのラ音が不調青き踏む  石川和子  一八点

○ 下萌や終生解けぬ農の枷      富田昌宏  一七点

○ 川風もかくし味なり炉辺のあゆ   木村山女  一六点

○ 芹を摘む水美しき国に住み     黒川静子  一六点

○ 売れぬ山からたつぶりと杉花粉  最東 峰   一六点

○ 大空に記憶の道あり燕来る     倉持太一  一六点